夏祭りや温泉旅行に欠かせない「浴衣」。誰もが気軽に着られるおしゃれな着物として大人気です。そんな浴衣を着る際には、よりおしゃれを楽しみたいですよね。
そこで今回は浴衣の魅力を引き出せる帯の結び方を解説します。浴衣帯の結び方はなんと10通り!
多彩な結び方を知って、浴衣おしゃれを楽しみましょう。
目次
浴衣帯の結び方・種類
浴衣帯の結び方はおよそ10通り。それぞれに違った魅力があるので、どんな結び方が自分は好きか考えてみましょう。
文庫結び
浴衣帯の結び方で最もスタンダードとなる結び方が文庫結びです。
浴衣初心者でも簡単に結べるので、初めて自分で結ぶという方におすすめ。
仕上がりも女性らしく可愛い形になりますよ。
蝶結び
仕上がりが蝶のごとく羽根がついているように見えるのが特徴です。
文庫結びと形は似ていますが、文庫結びは羽根が2枚なのに対して、蝶結びは羽根が4枚。
より鮮やかな後ろ姿が再現できます。
貝の口結び (半巾帯)
大人っぽい結び方をしたい方におすすめの結び方です。
文庫結びや蝶結びよりもボリュームを抑えられ、落ち着いた雰囲気を演出できます。
たまてばこ
その名の通り、仕上がりが玉手箱のような形になる結び方です。
浴衣はもちろん、紬や小紋といったおしゃれ着物にもバッチリ合わせられます。
ふうせん結び
ふうせん結びは、一見お太鼓結びのような形が特徴です。
ふっくらとボリューム感があり、上品な印象が感じられます。
グラデーションの入った2色の帯を使う時に結ぶと、よりおしゃれな印象になるでしょう。
しだれ桜
羽根中央はふっくらとしていて、羽根がちょこっと顔を出すような結び方です。
羽根部分は大きさを調整することによって、帯の存在感を強くしたり、逆に小さくして小粋な印象を強めることも。
おしゃれ着である小紋や紬にもバッチリ合います。
花結び
帯に花が咲いたような形が特徴の結び方です。
結び方は他の結び方に比べて少し複雑ですが、綺麗に結べればグッとおしゃれな印象に。
バッチリ決めていきたい時におすすめです。
片蝶流し
文庫結びの形で、片方の羽根のみタレ先を垂らした結び方です。
片方だけ形を崩すことでこなれた印象を演出できます。
マリーゴールド結び
2つのリボンが可愛らしく、女性らしさを感じられる結び方です。
マリーゴールド結びをする時は、裏表異なる色の帯がおすすめ。2つのリボンが違った色で作れるので、よりおしゃれな印象になります。
アイリス結び
アイリスという花をイメージした形が特徴の結び方です。
落ち着いた雰囲気の大人世代に人気があります。
アネモネ結び
大きく広がる羽根がかわいらしい、どこか明るい印象を感じられる結び方です。
帯結びのおしゃれを気軽に楽しみたい方におすすめ。
スイートピー結び
小ぶりなリボンが特徴の結び方です。乙女な雰囲気を感じられる見た目で若い人を中心に人気があります。
フリージア結び
直線的でシャープな美しさが感じられる結びが特徴です。
可愛らしさを残しつつ、クールな印象も演出できます。
一文字結び
一文字のシンプルな見た目が特徴の結び方です。
落ち着いた印象を感じられ、どんな場面でもしっかり馴染みます。
なでしこ結び
複雑に入り組んだ羽根が特徴の結び方です。
大人っぽい美しい印象を感じられます。
のし結び
直線的な美しさが感じられる結び方です。可愛くなりすぎないクールな見た目は、年代問わずおすすめ。
定番種類別!浴衣の帯の結び方手順
ここからは、定番とも言える浴衣帯3つの結び方の手順をご紹介します。
初心者でも簡単な結び方なので、ぜひ実践してみてください。
※手順内で解説する用語について
- 手先=帯の端のこと
- タレ先=手先とは逆の帯端のこと
文庫結び
- 手先を縦半分に折る
- 手の長さ分の手先を測り、右肩にかけ、体の中心にクリップなどで留めておく
- 左手で抑えながら帯を1巻きする
- 帯板を入れて2巻目を巻く
- 帯の1巻目の下部を持ち、グッと締める
- タレ先を右脇から三角形になるよう内側に折り上げる
- 手先を肩からおろし、手先が前になるようタレ先と結ぶ
- タレ先を肩幅分の長さを測り、その長さを基準に折りたたんでいく
- 折りたたんだタレ先を結び目の中心に持っていく
- タレ先の中心を谷折り、上、下を山折りにしてリボンのような形をつくる。これが羽根となる。
- 羽根の中心に手先をおろし、結び目の下から通す。通したらグッと帯を引き上げる
- 引き上げた帯を、帯と帯板の間に通し、下に引き抜く
- 余った帯を折り畳み、羽根の中に入れる
- 羽根の形を整え、帯を後ろに回したら完成!
蝶結び
- 手先を縦半分に折る
- 手の長さ分の手先を測り、右肩にかけ、体の中心にクリップなどで留めておく
- 左手で抑えながら帯を1巻きする
- 帯板を入れて2巻目を巻く
- 帯の1巻目の下部を持ち、グッと締める
- 脇あたりから三角形になるよう内側に折り上げる
- 手先を前におろし、タレが下、手が上にくるように結ぶ
- 結び目を縦にして、半分に織られたタレ先を広げる
- タレ先を肩幅の長さを測り、その長さを基準にして内側に折っていく
- 体の中心に折りたたんだタレ先を持っていき、内側にある1枚を少し下にずらす
- 中心に向かってリボンを作るようにつまみ、羽根を作る
- 手先で真ん中から羽根を巻き、手先を上に引いてギュッと締める
- 余った手先をグルグル巻いて、帯と帯板の間に収納する
- 羽根の左右を調整する
- バランスを整え、帯を後ろ側に回したら完成!
貝の口結び (半巾帯)
- 手先から帯の縦幅の長さ3倍分の長さを測り、印となるようクリップする(約50cm)
- 帯を縦半分に折り、体の中心にクリップで止める
- クリップよりタレ側の帯を広げ胴に二巻きする
- 帯の1巻目の下部を持ち、グッと締める
- 手先を前におろし、タレ先の長さを手先と揃える(手先の長さに合うよう、余る部分を内側に折り曲げる)
- 胴体の帯をもう一度締める
- 幅の広いタレ先が上になるようにして縦に結ぶ
- 上になったタレ先を前に垂らし、斜め右に向かって三角になるよう折る
- 三角に折った間のスペースに下の手先を通す
- 帯を後ろに回して完成!
温泉旅行で使える!温泉浴衣の帯の結び方
今回は夏祭りの浴衣だけでなく、温泉旅館で着る浴衣の帯の結び方も解説します。
普段機会が少ない温泉旅行だからこそ、おもいっきりおしゃれを楽しみたいですよね!
温泉旅館で着る浴衣の着方、帯の結び方をそれぞれ紹介します。
温泉浴衣の着方・帯の結び方
温泉浴衣の着方はとっても簡単です。以下3つのポイントに注目しましょう。
ポイント①:羽織は右側が先、左側が後
ポイント②:襟元、首元はこぶし1個分スキマを開ける
ポイント③:帯はリボン結びで可愛らしく
これだけのポイントを守れば見た目も美しく着られます。
帯の結び方は浴衣のように複雑に結ぶ必要はありません。簡単なリボン結びで十分可愛らしい印象になりますよ。
帯で魅せる、浴衣のコーディネート例
ここからは、浴衣のコーディネート例を3つ紹介していきます。浴衣のおしゃれを楽しむには帯と着物のバランスを考えなければなりません。
バランスを整えることによって、より浴衣を美しく着られるでしょう。
コーデ例1:派手な柄行の浴衣には落ち着いた帯でバランスを整える
派手な柄行きの浴衣には、落ち着いた帯の色がおすすめ。
黒色や白色などなるべくモノトーン色を選んで、浴衣とのバランスを整えましょう。
より浴衣の色合いや柄が強調されて、素敵な印象になります。
コーデ例2:浴衣と帯、同じ柄行きで統一感をアップ!
あえて浴衣と同じ帯を選ぶことによって、コーディネート全体の統一感が増し、洗練された印象に。
さらにおしゃれにしたいなら、結び方で差をつけてみるのもよいですね。
コーデ例3:コントラストを強める!あえて帯を強調するスタイル
浴衣は控えめの色や柄にして、帯におしゃれな柄や色を使うのもアリです。
花結びのように鮮やかな結び方なら、より映えることでしょう。
まとめ
今回は浴衣帯の様々な種類や結び方、温泉浴衣の着方などを紹介しました。
浴衣帯は結び方が豊富で、いろいろなおしゃれを楽しむことができます。
今度の夏や年に数回の温泉旅行では、ぜひおしゃれな結び方で楽しんでみてくださいね。