新年を迎えるおめでたいお正月。初詣や新年会などイベント毎が盛りだくさんの楽しい時期でもあります。
そんな正月を着物で迎えたい!という方も多いのではないでしょうか。
しかし、正月はどんな着物を着ればいいかわからないと悩む方もいるでしょう。そこで、本記事では正月に着る着物の選び方やポイントを徹底的に解説します。おめでたい正月にぴったりな縁起の良い柄についても紹介。
これからの正月を着物で迎えたいという方はぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
新年を着物で迎える文化
正月には、新調した綺麗な着物を着て新年を迎える「着衣始め」(きせはじめ)と呼ばれる文化があります。
「着衣始め」は着物が普段着であった昔は、どの家庭でも行われていた習慣のようですが、最近では着物を普段着として着られている家庭は少数派になりました。なので、着衣始めの文化が広くは浸透していないかもしれません。
着衣始めは着物を新調するだけでなく、足袋や帯など全てを新調します。新年を迎えるめでたい日なので、改まった気持ちと一緒に服装も新調することで心をすっきりとした気持ちにしてくれるでしょう。
正月に着る着物は?
正月といえば、初詣や新年会に着物を着ている人をよく見かけますよね。
しかし着物の種類でいうと、何を着られているのでしょうか?
結論から言うと、正月に着る着物は決まっているわけではありません。
自分の好み、色や柄、デザインで決めてしまってもいいのです。
もとより、お正月に着物を着なければいけないというルールなどはありません。
初詣に行くと、洋服を着ている方も多くいます。
しかし、前項で取り上げた「着衣始め」の文化のように新調した着物で初詣や新年会に参加するのはとても有意義なことです。
そんな方のために、正月に着ていきたいおすすめの着物を紹介します。
カジュアルなパーティーや同窓会には「小紋」「紬」
パーティーや同窓会、食事会に適しているのが、小紋や紬といった着物です。
正月の新年会や親戚での食事会に着ていくべき着物としておすすめです。
小紋や紬を着るメリットは、「かしこまりすぎていない着物」であることです。正月は基本的にどんな服を着ても自由。カチッとした礼装で正月を迎えるのも良いですが、少し気を抜いた感じも欲しいところです。
「でも着物をきて正月を迎えたい!」と言う方に小紋や紬はぴったりの着物なのです。
小紋はその名の通り、小さな柄がところどころに散りばめられたおしゃれな柄行が特徴です。
洋服で表すと、ワンピースに近い形をしています。
小紋は結婚式や式典などの礼装着としては向いていませんが、外出着として活躍してくれる着物です。
紬は、独特な光沢感のある風合いが特徴の着物です。絹糸を使った生地が美しい柄行を表現しています。
紬は作り方が非常に繊細で、1つ作り上げるのに半年〜1年ほどの時間を要します。
時間をかけて作られた紬は耐久性にも優れているので、長年使える着物として活躍してくれるでしょう。
初詣には振袖
成人式や結婚式に着られることが多い振袖ですが、初詣で着ていくのも素敵です。
振袖は婚礼着物といわれ、おめでたい日などに着られます。お正月は新年を迎えるおめでたい日なので、初詣やお参りに着ていっても違和感はありません。
また、初詣には振袖を着ている人は意外と多いのです。なので、振袖を着ても周りから浮く心配はなく、溶けこみやすいというメリットもあります。
それに、振袖は暖かいという機能的要素もメリットの一つです。振袖を着るには、和装下着+襦袢+着物+帯の4つを着る必要があります。こうして重ね着をすることで暖かくなります。
振袖本体は裏地がついているものがほとんどであるため、保温効果も高いのです。ただし、ポリエステル素材は風を通しやすく、保温効果が弱いため注意しましょう。
縁起の良い着物の柄
正月はめでたい日ですから、柄も縁起の良い着物を着るべきです。
ここでは縁起の良い柄を紹介していきます。
鶴・亀
鶴や亀を施した柄には「長生きできるように」という願いが込められています。というのも、亀や鶴は長生きする生き物として知られています。亀は寿命30年〜100年、鶴は20〜30年と他の動物たちに比べてとても長生きします。
亀や鶴の柄は、めでたい日の晴れ着などでよく使われる柄として有名です。
松竹梅
松竹梅は、古くから日本でおめでたいことの象徴とされています。
正月でも家の前に立てる門松に使われたり、結婚の際の結納品として用いられていますね。
松竹梅の意味は、もとより中国の「歳寒三友」ということわざからきています。寒さに耐えて緑を絶やさない「松」「竹」、寒い中で花を咲かせる「梅」。これら3つを掛け合わせて松竹梅という名になったそうです。
松竹梅の柄は祝い事の席で使われる代表的な柄の一つです。正月のような祝い事にはぴったりの柄ではないでしょうか。
牡丹
牡丹とは、花の一種で牡丹柄は牡丹花をまとった柄のことを指します。大輪の花を咲かせる柄が特徴的です。
牡丹は鮮やかな大輪の花を咲かせる見た目から「百花の花」ともいわれています。
高貴や幸せを象徴する花として、古くから富裕層の人に親しまれてきました。その昔は身分の高い人しか着ることを許されない柄物でしたが、現代では多くの方が着られる高級感のある柄物として人気を博しています。
牡丹柄には、4〜5月に着られる春牡丹、1〜2月に着られる冬牡丹があります。正月は1月にあたるので、牡丹柄を着るなら冬牡丹がおすすめです。
鳳凰
鳳凰とは、中国から古く言い伝えられてきた伝説の鳥です。「平和で幸せな世界が実現されるときに現れる」といわれています。
鮮やかな瑞鳥をまとった文様はとても美しく、見る人の目に止まること間違いありません。
鳳凰柄はおめでたい日の晴れ着として多く使われる柄の一つです。
熨斗
熨斗柄は、熨斗鮑が元になっているデザインです。慶事の進物などに添えた熨斗をさらに細長い帯状に文様化した柄のことを指します。
熨斗鮑は神へのお供え物とされ、古くから縁起物とされてきました。
熨斗鮑が元になった熨斗柄は、めでたい日の晴れ着としてよく使われる縁起物の柄なのです。
長方形に鮮やかに流れる美しい熨斗が特徴的で、世代問わず人気があります。
宝尽くし
宝尽くしはその名の通り、宝物を集めた柄の吉祥文様。
描かれた宝は打ち出の小槌や宝剣、願いが叶う宝玉など様々です。
「福徳を呼ぶ」縁起の良い柄として、晴れ着などによく使われます。
防寒対策も忘れずに!
着物だけで寒さをしのぐことは難しいでしょう。初詣など行列に並ぶのであればなおさらです。
正月は最も寒い時期なので、防寒対策はしっかりしておきたいところ。
着物に合う防寒アイテムを着て、寒さを乗り切りましょう。
オシャレも楽しめる防寒アイテム
せっかく着物を着ているのだから、おしゃれも楽しめる防寒アイテムを選びたいところです。
着物にもぴったり合うおしゃれな防寒アイテムをいくつかご紹介します。
羽織
着物に最も合う防寒アイテムといえば羽織です。
羽織は長い丈と短い丈から選ぶことができるため、コーディネートの幅が広がります。
短い丈はややカジュアル、長い丈はセミフォーマルな印象を引き出すことができるので、好みに合わせた丈を選びましょう。
また羽織は基本的に無地であるため、着物の色や柄に合わせて選ぶことも可能。着まわしやすい防寒アイテムとしておすすめです。
和装コート
和装コートは、着物用の防寒着として作られたコートです。着物用で作られているため、襟周りや袖周りがゆったりしていることが特徴。
丈は長いものがほとんどです。コートと同じ素材で作られているので、防寒機能も優れています。
ゆったりとした形で着物全体を覆うため、着物が見えるのは足回り程度です。コートの色合いは着物の色に合わせると違和感なく着こなすことができるでしょう。
ポンチョ・ケープ
ポンチョやケープといった防寒着を使うのもおすすめです。
着物に合わせるといっても、普段使いの洋服用でも問題ありません。
カジュアルな部類の防寒着であるため、色合いは主張しすぎない淡い色が良いでしょう。
ショール・ストール
ショールやストールを首に巻くだけで暖かさは全然違います。
こちらも普段使いの洋服用でも問題ありません。
ショールを選ぶ際には、毛皮やベルベットなど高級感のある素材を選ぶと、着物によく合います。
まとめ
いかがでしたか?今回は正月の着物の選び方やポイントを紹介しました。
正月は新年を迎えるおめでたい日でもあります。健やかな気持ちで正月を迎えるため、ぜひ新調した着物で初詣や新年会に行かれてみてはいかがでしょうか。
寒い時期でもあるため、防寒対策もバッチリして着物でのおしゃれを楽しんでみてくださいね。