日本では古くより愛されてきた、伝統的文化とも言える和服。もちろん今でも和服を楽しむ女性は多くいます。その取り入れられる場面もさまざまで、日常着として和服を取り入れている女性も少なくありません。その中でも着物のような和服からカジュアルな洋服に羽織を取り入れて、コーディネートに彩りを持たせたい女性は多いことでしょう。そこで今回は羽織の特徴やコーディネート例を紹介して、シーンや季節に合わせた装いに対する不安を解消していきます。
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目次
羽織の一般的な役割
羽織はどんな場面で着用するものなのでしょうか。羽織の一般的な役割を紹介します。
一般的に着物のアウターとして防寒具の役割
羽織は昔から、着物の上から着用する防寒具としての役割を担ってきました。10月ごろの秋口から翌4月の春先ごろまでは、袷仕立てと言われる裏地のついた羽織で寒さをしのいでいます。
よそ行きの改まった場所にフォーマルな装いとして丈の長い長羽織が主流
洋服でいうとジャケットにあたるのが羽織です。着物の上に着用すると少し改まった場面にも適します。丈が短いほどカジュアルな印象になるので、少し改まった場所へは丈の長い長羽織が一般的に用いられます。
和服をおしゃれな日常着として楽しまれる現代
和服は長い歴史のなかで、人間の生活や用途に合わせて少しずつ変化してきました。そんな中、現在は和服が用いられる場面や着用する女性の感覚が変化しつつあります。現在着物を普段から着用している人は多くなくなりましたが、オシャレ感覚で着物を楽しむ人は増えてきました。
日常着として和服を楽しむ
普段は洋服が主流となり着物を着る機会は昔に比べると減ってしまいましたが、着物に対する憧れは強く、オシャレ感覚で楽しむ女性が増えました。和服を身にまとい気分を上げて女子会をしてみたり、普段の洋服に合わせてコーディネートをしてみたり、和服の楽しみ方は変化しつつあります。丈の短い羽織も増えてカジュアルに取り入れやすくなったので、洋服にも合わせやすくなりました。
服の種類で見るレディースファッションの着物用羽織の取り入れ方
着物とはどんな羽織を合わせるのか、最近ではおしゃれなレディースファッションにも取り入れられるようになった羽織はどんな洋服と合わせるといいのか、服の種類ごとに紹介していきます。
着物☓羽織
入学式や卒業式などの略礼装の場面では、色無地のもので、丈が長い長羽織がいいでしょう。丈が短いとカジュアルな印象になるため、丈は長めでエレガントな印象のものがセミフォーマルな場面には適しています。
それ以外のちょっとしたかしこまった外出時には色無地のほかに絵羽模様の羽織などを合わせると良いでしょう。日常着として着用する場合は丈は短めで構いませんし、小紋染めや絞りの羽織などカジュアルな雰囲気の羽織を着こなしましょう。
着物に羽織を着用する時の注意点は、着物の襟を見せるように羽織の襟を外側に半分に折り曲げて着用するようにすることを忘れないようにしてください。
カジュアルな洋服☓羽織
今では洋服に羽織をおしゃれに合わせるコーディネートも人気を集めています。洋服と合わせる時は長めのものより、カジュアルな印象の短めの羽織がおすすめです。
洋服と羽織の素材感や色合いをリンクさせると取り入れやすいうえにセットアップとしてコーディネートが締まります。さらに、ワンピースなら着物のようなシルエットなのでナチュラルな見た目で挑戦しやすいですね。
そして和服ではありえないような、洋服と合わせるからこそ実現するコーディネートもあります。羽織とあえて同じ長さくらい、もしくはそれよりも短いボトムスを合わせると和の中にも元気でアクティブな印象になり、新鮮な雰囲気を出すことができます。他にもブーツは意外と羽織と合わせてもしっくり来ます。このように洋服ともいろいろな合わせ方ができるのでぜひ挑戦してみてください。
季節による羽織と着物の組み合わせ方
1年間同じような着物と羽織だけで暑い日も寒い日も乗り切るのは難しいですよね。着物にも羽織にも、温度に合わせて調整できるように裏地の付いているもの、付いていないものの2種類の仕立て方があります。暑い時期は裏地のないもの、寒い日は裏地のあるものというふうに調整がしやすくなります。これに加えて、真夏の時期には透け感のある夏生地で作られる薄物着物、薄物羽織というものもあります。これらを上手に組み合わせて着用すると1年を通して快適に和服で過ごせるようになります。
袷(あわせ)着物+袷羽織 = 10月中ごろ~4月ごろ 気温が低い時期
1年のうちで1番着用機会が多いのが袷着物と袷羽織の組み合わせです。袷なのでどちらも裏地の付いていて透け感がないので温かい感じが出ます。秋〜春先くらいまでの肌寒い時期にはこのスタイルが一般的です。
袷着物+単衣羽織 = 4月中頃あたりか10月早々~10月中ごろ
暖かくなってきた春頃には上に着る羽織を薄いものにして、肌寒くなる秋口には着物を裏地のあるものにして調整します。それが袷着物と単衣羽織の組み合わせです。この時期にはこの格好をするという決まりではないので、暑くなってきたり寒くなってきたと感じる時にはこのように自分でうまく調整してみてください。
単衣(ひとえ)着物+単衣羽織 = 5月中ごろ~6月早々
さらに夏にさしかかり暑くなってきたら着物も裏地のない単衣着物にして涼しい格好にするのがいいでしょう。 どちらも透け感のある単衣仕立てのものであれば見た目にも涼しい印象になるのがいいですね。
そして、中でも暑い日には羽織を薄物羽織に変えて調整するといいでしょう。薄物は生地の糸の隙間が大きいため風通しがいい作りになっています。なので、夏本番には着物も羽織も薄物に変えていけば、真夏の暑さの中でもわりと快適に過ごせるようになります。
着物に合わせる羽織以外のおしゃれアウター
女性は着物のとき羽織以外にもおしゃれにかわいくコーディネートできるアウターがいくつかあります。
和装コート
着物の上から着られる和装コートです。ポイントは着物の上に着るものなので襟周りや袖周りがゆったりした作りになっているところです。丈もしっかり長いものが多いので、冬の寒さには和装コートがあれば上から下まで守ってくれます。
道中着
襟周りが着物と同じような見た目の、こちらも和装用のコートです。右前で飾り紐で結んでとめるようになっているのがかわいらしいワンポイントです。襟周りから着物に似ていますがコートなので室内では脱ぐのが基本です。
道行
襟の部分が四角くあいているのが特徴的な和装用コートです。着物だけでは肌寒くなってきたなという時期に出番です。レースなどの生地のものもあるので1年を通して長い時期着用できます。
雨コート
着物を裾の方までしっかり覆い、雨から守ってくれる雨コート。撥水加工させれているものであれば雨を弾いてくれます。生地やデザインなどもさまざまなものがあります。雨の日には手ぬぐいや替えの足袋などを用意しておくといいですね。
ケープ・ポンチョ
洋服と合わせて使っている方もいらっしゃるかと思いますが、ケープやポンチョなら袖がない仕様なので着物にも羽織ることができます。他のアウターよりはカジュアル感は強めですがかわいらしい見た目になるので改まった場でなければおすすめのアウターです。
レディースファッションの羽織活用まとめ
着物だけでなく羽織も袷仕立て、単衣仕立てがありますので1年を通しておしゃれとして取り入れることができるアイテムです。改まった場所以外でも和装にいろんな羽織を取り入れてみるとおしゃれに楽しむことができます。
和装だけでなく、洋服にもどんどん羽織を合わせてみてください。意外と合うと感じたり、一気におしゃれな雰囲気が出たりして楽しめることでしょう。
そして、着物には羽織以外にも寒い時に取り入れるとおしゃれでかわいいアウターもありますので、いろいろな合わせ方をして和服をもっと楽しんでいただきたいと思います。