裏地がついている袷(あわせ)の着物。見た目に重厚感があるのも魅力ですが、着ていける場所や他の着物との違いが分からず、実際にどのような袷の着物を選べば良いか分からなくなる方もいると思います。
今回は、袷の着物の解説や選び方はもちろんのこと、着合わせのポイントやTPOごとにおすすめの袷の着物を紹介します。
目次
袷(あわせ)の着物について知ろう
着物を初めて買ったり、これから訪問着などを買いそろえたりする場合、袷という言葉からどのような着物なのかイメージが浮かばない方もいると思います。まずは、袷着物の特徴や着るのに適した時期などをチェックしましょう。
▼袷(あわせ)とは
袷とは着物の仕立て方のひとつで胴回りや裾、袖部分に裏地をつけて仕立てたものになります。裏地があることで見た目に重量感がでるため、写真映えするのも魅力の着物です。
▼ 袷の着物を着るのに適した時期は?
袷着物は裏地がついていて風を通さないため、10月から5月の気温の低い時期に着るのに適しています。ですが、この期間以外でも着ることができます。
寒さに弱い方や、9月や6月の気温の低い日に着物を着る際も袷着物を着ることができます。自分の体感温度やその日の気温に合わせて選んで着てくださいね♪
▼ 紗袷(しゃあわせ)と袷の違いは?
袷着物には「紗袷」と種類があります。紗袷とは、紗(しゃ)の薄い生地の着物の上に、紗の生地を重ねて仕立てた着物のことを言います。紗袷の着物は、通常の袷着物より薄地のため、秋の初めなどの昼と夜の気温差が大きい日などに着るのがおすすめです。
▼袷の着物を着ていける場所は?
袷の着物は結婚式やお子さんの入学式や食事会など、さまざまな場で着ることができます。袷の着物をTPOごとに選ぶ際は、着物の格や種類を見ながら決めましょう。
袷(あわせ)の着物の選び方や着合わせのポイントを知ろう
袷着物を季節や気温に合わせておしゃれに、そして快適に着ることができたら着物を着るのがより楽しくなりますよね。ここからは、袷着物の季節に合わせた色や柄の選び方、快適に着こなすためのポイントを紹介します。
▼季節感の合う色や柄を選ぼう
洋服と同じように、着物も季節に合わせた色や柄のものを選ぶことでよりおしゃれに着こなすことができます。袷着物は秋や冬、春に着ることが多いため着る季節に合わせて色や柄を選びましょう。
まず、実りの季節である秋は朱色や茶色など、赤みの帯びた暖色系の色を選ぶのがおすすめです。柄は紅葉や桔梗、葡萄(ぶどう)などを選ぶと秋らしさが増しますよ。
冬は草木が散る寒い時期です。寒さを感じさせない華やかな色の着物を選びましょう。柄は梅や竹、菊などの柄がおすすめです。
そして、草花が芽吹く春はパステルカラーやピンクなどの柔らかい色味の袷着物を選ぶのがおすすめです。柄は桜や牡丹が人気です。桜の時期を終えたら、緑色や水色を選ぶとおしゃれですよ。
▼袷の着物の下に着るべき長襦袢の種類は?
袷着物の下に着る長襦袢は、通常の裏地のない長襦袢か裏地のついた袷長襦袢のどちらかを合わせましょう。
屋外の結婚式やお宮参りなどで防寒をしっかりしたいときには袷長襦袢を、エアコンのきいた屋内で着る際は通常の長襦袢を着用するのがおすすめです。
▼袷の着物に合う帯の選び方は?
袷着物は重厚感のある着こなしを楽しめるのが魅力です。そのため、帯は麻や(しゃ)や絽(ろ)などの薄地の生地を避けて、TPOに合わせた帯を合わせるのがおすすめです。
また、裏地を縫い合わせて仕立てた袷帯(あわせおび)というものもあります。袷帯は、裏地の色と表生地の色の対比を楽しむことができる普段着用の帯です。カラフルな装いにしたい方におすすめですよ!
▼袷の着物は裏地の布(八掛け)の色を意識するとよりおしゃれに!
袷着物の袖や裾回りの裏地部分を八掛け(はっかけ)といいます。裾回しとも呼ぶことがある八掛けの色を意識して袷着物を選ぶと、歩いた時や手を動かしたときにきれいな布がちらりと見えてよりおしゃれに見えますよ!
TPO別 袷の着物を紹介
ここまでで袷着物の特徴や、季節別におすすめの色や柄を紹介しました。それでは実際に、TPO別におすすめの袷着物をチェックしてみましょう。
▼結婚式やパーティーにおすすめ 袷の訪問着・留袖
結婚式やパーティーなどで袷着物を着る際は、訪問着や留袖を選ぶのがおすすめです。初詣などでも着回せる訪問着が欲しい方は、赤や緑などの鮮やかな色のものを選ぶのがおすすめです。
▼入学式やお宮参りなどにおすすめ 袷の色無地・付下げ
お子さんの入学式やお宮参り、七五三などには柄のない色無地や裾に柄をあしらえた袷の付下げ(つけさげ)がおすすめです。
色無地や付下げは同窓会やなどでも着ることができる着物になります。おめかしをして出かけたいお呼ばれの場でも着てみてくださいね!
▼観劇・街歩きには袷の紬や小紋を
観劇・街歩きなど、カジュアルな場で袷着物を着る際は、紬(つむぎ)や小紋(こもん)の着物を選ぶのがおすすめです。
紬は個性的な柄のものが多いため、より個性を発揮したおしゃれをしたい方にぴったりです。また、小さな柄を全体にあしらえた小紋は習い事などでも着て行けますよ!
知っておくと安心!袷の着物の洗い方は?
着物は大事な行事やお呼ばれのときのみ着る方が多い装いですが、実は数回着ただけでも汗や皮脂の汚れを吸い込んでいます。汚れをそのままにしていると汗じみになってしまうため、なるべく早く汚れを落とすことが大切です。
ここからは袷着物の洗い方や、ご自宅で洗うことができる着物の素材を紹介します。
▼クリーニング店に依頼する場合
クリーニング店に袷着物を洗ってもらう場合、クリーニング代金は2,000円程度かかります。また、着物のクリーニングは2種類あります。
袷着物を着た際についた化粧汚れや皮脂汚れを落とす際は丸洗いでのクリーニングを、タンスに長期間保管していた着物のホコリ汚れなどを落とす際は、ドライクリーニングを依頼するのがおすすめです。
▼自宅で洗う場合
自宅で袷着物を洗濯する際は、洗濯機を使わずに手洗いで、ていねいに洗いましょう。
まず、ご自宅にあるおしゃれ着用の洗剤でつけ洗いを行い、何度かゆすいで洗剤を洗い流します。次に、バスタオルで袷着物を包んでやさしく水気を取り除きましょう。
脱水後はやさしくアイロンをかけてください。途中で着物用のハンガーに衣紋掛けして水気が乾いたら再度アイロンをやさしくかけて完了です。
▼洗濯機で洗える袷の着物の素材は?
普段着用の袷着物を検討している方や、手入れが楽な着物を選びたい方は、以下の素材を選ぶと清潔な状態の着物を着ることができますよ!
- ポリエステル
- 木綿
- ウール
これらの生地は洋服でもよく使われる生地になりますが、洗濯をする際は畳んでネットに入れてからおしゃれ着用洗剤で洗うようにしましょう。
袷の着物を着こなしてより快適な着物ライフを♪
今回は、袷着物の特徴や季節に応じたおすすめの色合わせのほか、TPOごとにおすすめの袷着物などを紹介しました。裏地をいかしたおしゃれを袷着物で存分に楽しんでくださいね!
また、バイセルオンラインではさまざまな行き先に合わせて袷着物を取り扱っています。今回の記事を参考に自分にあった袷着物を選んでみてはいかがでしょうか。