着物初心者の男性からすると着物は「着付けが面倒そう」「どこに売ってるか分からないし値段が高そう」「誰かといるときに自分だけ着物だと恥ずかしい」というイメージを持つかもしれません。
しかし、男性着物には洋服のように着られる種類もあり、格安で必要なものをレンタルできるサービスも多数あります。
着物に興味がある人、夫婦やカップルで着てみたいと思っている方は参考にしてみてくださいね。
目次
男性にも着物は人気?男性着物の魅力とは?
着物は、女性が成人式や結婚式などのイベントで着用するイメージの強いですが、最近では男性用の着物の需要が伸びてきています。
男性の中には「成人式で着た袴は体が締め付けられて動きにくかった」という方もいらっしゃいますが、洋装の普段着のように締め付けが少ない着物も増えています。
さらに、洋服だと自分に似合わなそうな色でも、着物だと意外と似合うと気づくこともあるみたいですよ。
着物を着ている男性は色っぽさや粋な姿があって新鮮。羽織や帽子を合わせると、さらにおしゃれに見えるでしょう。
TPO・着用シーン | 第一礼装として着用する礼装着、それ以外は普段着や洒落着として着用するのが一般的です |
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有名なもの | 大島紬、結城紬、牛首紬、黄八丈 など |
男性が着物を着る主なシーンと種類
男性が着物を着るのは正月や七五三、お祭りなどの行事、式典や冠婚葬祭などのフォーマルな場に出席する時の礼装として着る場合が多いです。
「なんだ~着物はいつでも着られるのか」と思われるかもしれませんが、場所や目的によって着るべき着物の種類が違います。
男性着物は、着用する場所や目的によって「礼装用」「おしゃれ着」「普段着」の3つに分かれます。
礼装着(第一礼装)
紋付き袴は家紋の付いた着物と羽織り、下に袴をはきます。
家紋とはそれぞれの家に伝わる紋章で、家紋の数が多いほど格式が高く一つ紋、三つ紋、五つ紋の順に格上げします。
また、一番格が高い礼装の「黒五つ紋付羽織袴」と準礼装の「色紋付羽織袴」の2種類あり、これらを略して紋付き袴と呼ばれます。
黒羽二重五つ紋付(くろはぶたえいつつもんつき)
黒羽二重五つ紋付は、家紋が5つ付いた着物に羽織・袴となっており、結婚式の花婿・仲人などで着る一番フォーマルな第一礼装です。
家紋の位置は、背中に大きく1つ、袖の後ろ側に2つ、肩の前側に2つついています。
色紋付袴(いろもんつき)
色紋付袴は黒羽二重五つ紋付の略礼装として用いられ、落ち着いた色の多い男性着物の中では華やかさがあります。
パーティーやお茶会には三つ紋や一つ紋など、場面に応じて格の付け方を変えられ、五つ紋をつければ花婿の衣装として着られます。
おしゃれ着・外出着
家紋がついていないおしゃれ着・外出着の着物は、普段着として使用できます。
これらの中にも、一つ紋をつけて少し格が上げられる着物から趣味で楽しめる着物まで、TPOによって変えられます。
普段着では着物に帯を締めて、外出時は着物の上に羽織りを着る人もいます。
お召一つ紋付(おめしひとつもんつき)
お召しに三つ紋や一つ紋を付けると、女性の色無地紋付・訪問着と格が同じになります。
結婚式などの招待客の場合にも着られます。
紬(アンサンブル)
紬は礼装着ではないので家紋はつけなくても構いません。
紬は無地や縞柄(しまがら)が多い、カジュアルな場面で着られる着物です。
有名な紬に鹿児島県の大島紬、茨城県・栃木県の結城紬があります。
袴は着る必要はないですが、親族に挨拶など改まった訪問には袴を着用しても良いでしょう。
また、紬は羽織と色や素材を変えるとオシャレ感が出てきます。
ウール(アンサンブル)
ウールの着物は外出着や自宅での作業着として着られ、手入れが簡単です。
季節は春・秋・冬だと快適に着られ、着物初心者にも手軽に着られます。
上布(じょうふ)
上布は浴衣の素材として代表的な着物で、 沖縄県の宮古上布、新潟県の越後上布などが有名です。
吸汗性がよくてサラッとした着心地で、汗をかいても乾きやすいのが特徴です。
ただし、薄い生地の上布は透けて見えますので、体型に合わせて仕立てましょう。
着物初心者の男性は紬や上布などの街着がおすすめ
紋付き袴は、成人式や結婚式の参列するときに着た人もいると思いますが、体を締め付けられるので、着物に対するハードルが高くなっているかもしれません。
着物初心者の男性なら、紬や上布などの外出着から始めるのがおすすめ。
着物に慣れるとどこでも行けるようになりますが、最初は散歩したり近所のコンビニに行くなどして、着心地や着崩れ具合を確認するといいでしょう。
繁華街に出ると着崩れしたときに周りの目線が気になってしまいますが、自宅周辺を一人で歩いているときに着崩れしたら、戻って直せばいいので安心。
徐々に着物を着ている自分に慣れてきたら、美術館などに足を運んで行動範囲を広げていきましょう。
合わせる帯や小物はコレ!
男性着物は多様な組み合わせがありますが、長着は薄いグレー、羽織は紺色、帯と羽織紐はそれぞれ着物と羽織と違う色を選んでみましょう。
着物に興味のあるけど組み合わせが分からない人は、長着がシャツとパンツ、羽織がジャケット、帯がベルト、羽織紐がネクタイと、洋装に置き換えるとイメージがつきやすいです。
また、身長によっても着こなしの印象が異なります。
身長の低い方は同系色の帯を選ぶのがおすすめです。着物と色味の違う帯だと、帯の部分で見た目が上下に分かれてしまって低く見えてしまいます。
身長が高い方は、普通の幅の帯よりも1㎝ほど広い帯が良いといわれており、普通の幅では帯が腰ひものように見えてしまうこともあるからです。
男性着物もレンタルできる!
自分に合った着物をサイクルショップで探しても、着物の数が少ないと好みに合う着物が見つからなかったり、費用が割高な場合もあります。
そこで「購入したい着物が見つからない」「普段から着物を着る機会はないけれど、イベントやよそ行きに着たい」という男性には、レンタル着物がおすすめです。
レンタル着物は予約して当日手ぶらでお店にいけば、肌着から足袋までフルセットの着物を貸してくれて、さらに着付けまでしてくれるところもあります。
単衣、袷(あわせ)、夏物、浴衣など季節に合わせた様々な着物がそろっており、サイズも身長や体型に合わせて選べます。
また、レンタル着物にはお店に行かなくてもネットで予約したら、自宅まで着物セットを届けてくれて、返却は自宅やコンビニからできるところもあります。
自宅だと一人で着付けをするので、着やすいようにマジックテープで止めるだけの帯になっている場合もあり、着付けへのハードルが下がりますね。
人生に一度は自分で着付けてみよう
動画サイトには、初心者向けに男性着物の着付けの仕方を説明した動画がたくさんあります。
短くて5分~長くても10分ほどの動画があるので、長めの動画を見ながら着付けを練習することもできます。
また、季節問わず着られる落ち着いた色やデザインが多い男性着物は、「ファッションセンスには自信ないな…」という方にもピッタリ!
着物を普段着にすると衣類の節約になるほか、オシャレな人に見られやすくなります。