式典やパーティーに着物を着ていきたいと考える方は多くいらっしゃいます。
今回はそんな着物を着たい方必見の、式典やパーティーで着物をきる際のマナーやポイントについて解説をいたします。
また式典パーティーにふさわしい着物の選び方やコーディネートをご紹介しますので、ぜひともご参考にしてみてください。
目次
式典パーティーには何を着て参加すれば良い?
式典などのパーティーには、どんな服を着ていけば良いのか悩むものです。
ここでは、式典パーティーに着物を着ていくことに関して解説していきます。
パーティーにも着物はOK!
まず共有しておきたいことは、パーティーや式典に着物を着ていくことはもちろん問題がないということです。
オフィシャルな場や仲間内の集まりまで、様々な人がそれぞれ自分の好きな衣服を身にまとって参加しています。
そんな中着物を着て参加することで、いつもとは少し違う、上品かつ特別な気持ちでパーティーを満喫することができるでしょう。
式典やパーティーに着ていく着物の選び方と種類
ここでは、パーティーに着ていく着物の選び方について解説いたします。
パーティに似合う着物にはやはり種類がありますので、一つずつご確認ください。
パーティーに合う着物の種類は主に3つ!
パーティーや式典に合う種類の着物は、基本的に振袖、色留袖、訪問着の3つです。
振袖や色留袖は、いわゆる「ハレ」または「ケ」と言った特別な時や公式儀式に着て行ける第一礼装の着物であり、パーティーの気軽さによっては重くなることもあります。
訪問着は準礼装であり、披露宴や結納をはじめ、卒業式や入学式、お茶会など各種の集まりに広く着用できる着物です。
準礼装の着物でありながら幅広い着用シーンで選択でき、デザインやサイズも豊富なのが訪問着の利点と言えるでしょう。
色留袖(三つ紋か一つ紋)
色留袖は慶事に着用され、明るい色調と上半身が無地で裾にだけ柄が描かれているのが特徴です。
準礼装の中でも格式が高く落ち着いた雰囲気がありますので、格式が高い式に着ていくことができます。
柄のバリエーションも豊富で、有職文様や吉祥文様など格調の高いものも多くあります。
また、色留袖は紋の数によって格式が決まり、紋を五つにすると黒留袖と同格の第一礼装として公的な場において着用することが可能です。
親戚の結婚披露宴やパーティーに気軽に着ていくのであれば、三つ紋や一つ紋の色留袖を着用するようにしましょう。
訪問着(三つ紋か一つ紋)
訪問着は、縫い目に関わらず身頃と袖が美しく柄続きになった絵羽模様が特徴的な着物です。
古典柄からモダンなものなど柄は多岐に渡り、帯や小物とのコーディネートで着こなしの幅が広がります。
フォーマルからカジュアルなシーンまで幅広く着用することができ、年齢や結婚しているか否かなどに関わらず利用できる着物です。
三つ紋や一つ紋の訪問着は格式が高く準礼装から略礼装に当たるため、改まった場でも十分に対応することができるでしょう。
また、よりカジュアルなパーティーに着用するのであれば、紋を入れないという選択肢もあります。
色無地(三つ紋)
色無地は紋のかずによって格式が変わる着物です。
色無地は白生地に黒以外の色で一式に染まった着物であり、門の数や帯の種類によって格式が変わる着物です。
三つ紋に丸帯でまとめれば格式の高い集まりにも着用でき、落ち着いた印象を与えることができるため初めて着物を選ぶ方にもおすすめできます。
三つ紋の色無地であれば、結婚式や入学式、卒業式などと言った式次や格式の高いお茶会などでも幅広く着用できるでしょう。
付下げ(一つ紋)
付下げは訪問着とも似ており、絵羽模様でない以外は区別がなかなかつかないものもあります。
既婚・未婚に関わらず着用でき、友人の結婚披露宴やパーティー、お茶会やクラス会、観劇などのお出かけなど、格式張らない出かけの際に着用したい着物です。
スッキリとした柄付けで軽めの印象を与える付下げはカジュアルな場面で着用できますし、吉祥文様や華やかな柄のものであれば格式高い袋帯と共に礼装としても利用できるでしょう。
色無地(一つ紋)
一つ紋の色無地は、紋のない訪問着や付下げなどと同じ略礼装の着物として利用でき、結婚式やお茶会、パーティーなど着用可能範囲が広いのが特徴です。
柄の無い色無地は帯を際立たせるため、品格のある袋帯や名古屋帯と合わせれば上品さを演出でき大胆な柄帯を合わせることでアート系のパーティーにも着用していけるでしょう。
様々なシーンで便利に使えるため、ちょっとしたお出かけのために着用する着物として一つ紋の色無地を仕立てる人が多くいます。
江戸小紋(一つ紋)
江戸小紋は非常に細かい繊細な模様が印象的な着物であり、落ち着いた色や柄が上品さをかもし出します。
格式張らない式典やパーティーでも着用していくことができ、一つ紋が入っている江戸小紋であればフォーマルな場にも安心して対応可能です。
パーティーに着物で参加する際のマナー
パーティーや式典への着用におすすめの着物についてご理解いただけたら、次にはパーティーに着物で参加する際のマナーを共有しましょう。
ドレスコードを確認する
まず大切なのは、ドレスコードを事前に確認しておくことです。
現代では着物を着用する人が少ないため、特別な場所や集まりで着用するといった印象を持っている人もいるかもしれませんが、着物にも洋服と同様にドレスコードがあります。
そのため、格式によって着用すべき着物の種類が変わりますので、注意が必要です。
ドレスコードのあるパーティーには紋を付けた色留袖や訪問着などといった格式の高い着物を選ぶようにしましょう。
逆に「平服で」などと指定された場合には付下げや小紋でカジュアルにまとめるようにするなど、集まりに応じた使い分けが大切です。
主役より格を下げる
次に気を付けなくてはならないのが、集まりの主役よりも着物の格を下げることです。
特に主役がハッキリしている授賞式などの場においては、主役を立てる様な着用マナーが求められます。
- 主役が紋付の色留袖を着るならば自分は訪問着や付下げを選ぶなど
- 主催者側は最高格の着物を選び、ゲストは主役を引き立てるようにする
上記のような事前の確認や心遣いが大切であると言えるでしょう。
着物を着用するうえで、「格」を気にすることはあらゆる場面において非常に大切です。
状況に合った選択を楽しみながら、着物選びをしていきましょう。
パーティーに合った絵柄を選ぶ
着物の柄の一つ一つには、下記のように込められた意味があります。
- 鶴…長寿・夫婦円満
- 鳳凰…平和、夫婦円満
- 扇…明るい未来
- 熨斗目…沢山の人からの祝福
- 桜紋…豊かさや物事の始まり
- 牡丹…高貴さ、美しさ
- 蝶…健やかな成長、夫婦円満
そのため、参加するパーティーの趣旨に合った絵柄を選ぶようにしましょう。
例えば、お祝いの席には熨斗目や扇などの吉祥柄や古典柄を選んで、お祝いしているとの気持ちを着物で表現しましょう。
また、「椿(落ちる)」や「梅(こぼれる)」などをイメージさせる柄は避けるようにします。
所作に気をつける
普段着物を着慣れていないと、いつも通りに動いてしまい袖や着物を汚してしまうことがあります。
折角の着物であることはもちろん、周囲にもあまり良い印象を与えませんので、所作には気を付けるようにしましょう。
- グラスの水滴が垂れてこないようにペーパーナプキンで巻く
- 食事などに手を伸ばす時には袖を汚さないように袖口を押さえる
- 料理も食べにくく感じることがあるため、着席時には膝の上にナプキン等を置く
また、着物を着用している時本来の美しさを引き出すため、基本動作もシンプルかつスマートにすることを意識する必要があります。
- 歩く時には、体の重心を履物の爪先の方に置く
- 立つ時には背筋をすっと伸ばし、お腹に少し力を入れる
- 椅子に座る場合袖が長いと床について汚れてしまうことがあるため両袖は手に持って膝の上に重ねておく
パーティーでのおすすめ着物コーディネート
・未婚の場合
カジュアルな柄付けの訪問着にしゃれ帯を合わせて食事会や軽いパーティーに着用すると、差一歩引きつつもおしゃれな印象を与えることができます。また、帯次第で幅広い利用ができる訪問着であれば、様々な格式のパーティーに利用することができるでしょう。
・既婚の場合
格式の高い集まりであれば、枝たれ桜や鳥や松があしらわれた灰紫色の色留袖がシックで大人の印象を与えるためおすすめです。また、格式張らないパーティーであれば辻が花柄でピンクの訪問着にしゃれ帯を合わせるのも、落ち着いた雰囲気を保ちつつ軽やかさも演出できるでしょう。
パーティーで着物を着るときに合うバッグ例!
・色留袖の場合
薄いピンクやブルー、グリーンのようなカラフルな色合いが多くある色留袖には、銀や金、白などと言った明るくはっきりとした色調のバッグが良く合います。
草履の色や素材もバッグと合わせることで、一体感が出ます。
・訪問着の場合
訪問着の着用できるシーンは幅広いため、下記のように場面に合わせて選択するようにしましょう。
- 結婚式では華やかな金や銀のバッグ
- お茶会ではビーズが装飾されたバッグ
・色無地の場合
カジュアルな場で大活躍する色無地も、使用するシーンごとに使い分けを行いましょう。
- 食事会や観劇などの場ではキラキラした装飾のバッグ
- 結婚式では光沢感のある上品なバッグ
・江戸小紋の場合
江戸小紋は色無地と同様に着用できるシーンに幅があり、食事会や趣味のお稽古、お茶会などで利用できます。派手な柄も多い江戸小紋ですから、合わせるのはシンプルな柄のバッグが良いでしょう。