お祝いの席やお呼ばれで着る着物の中でもフォーマルな装いの留袖は、季節やTPOに合わせて選ぶとより品良く着こなすことができます。ですが、留袖の種類やTPOを知らずに選ぶと、恥ずかしい思いをしないか不安になりますよね。
今回は、留袖を初めて着る方のために留袖の種類やTPO、帯合わせのほか、訪問着との違いやおすすめの留袖を一挙にご紹介します。
目次
留袖とはどんな着物?
留袖とは、女性がフォーマルな場で着ることができる礼装のひとつですが、留袖にはいくつかの種類があり、TPOも異なります。まずは、留袖の種類とTPOについてチェックしてみましょう。
▼留袖の種類を知ろう
留袖は黒留袖と色留袖の2種類があります。どちらも結婚式などで着るのに適した着物になりますが、色以外にも格や着ることができる続柄が異なります。それでは、各留袖の種類や違いをチェックしてみましょう。
・黒留袖
黒留袖は、真っ黒な着物の裾に絵羽模様と五つ紋を入れた着物です。第一礼装として使う黒留袖は、結婚式で新郎新婦の母親や祖母、親族などが着ることのできる着物です。
・色留袖
色留袖は、黒以外の着物の裾部分に絵羽模様と紋を入れています。色留袖は未婚・既婚を問わず着ることのできる着物で、紋の数は一つ紋、三つ紋、五つ紋の3種類があります。
紋が多いほど格が高いため、五つ紋は黒留袖と同格で着ることができますよ。
・訪問着と色留袖の違いは?
訪問着と色留袖はどちらも絵羽模様の着物のため、ひと目で違いが分からないと感じる方も多いかと思います。ですが、訪問着と色留袖は以下の要素が異なります。
- 模様:色留袖は裾のみ、訪問着は全体に柄あり
- 紋の数:色留袖は一つ紋、三つ紋、五つ紋。訪問着は一つ紋か紋なし
着物を選び慣れていない方は、裾以外の箇所に模様があるか否かで見分けると安心です。上記で紹介したしっかりと違いを見て、各行き先に合う着物を選びましょう。
▼留袖の格やTPOは?
留袖はフォーマルな場に着て行くのに適した着物ですが、具体的なTPOや格を意識して選ぶことで、行き先にフィットした着こなしを楽しめます。それでは、行き先ごとにおすすめの留袖の格などを紹介します。
・結婚式や披露宴
結構式や披露宴に洋服を着て行く場合、お呼ばれドレスなどのパーティー向けの服装を着る必要があります。
留袖はドレスやワンピースと格が同等になりますが、新郎新婦との続柄や関係性で紋の数を決めて着るようにしましょう。紋の数の違いは、この後に説明していますので、そちらもチェックしてみてください。
・パーティーやお茶会
留袖は、ホテルや格式の高いレストランなどで行う、格式の高いパーティーやお茶会などに着て行くのにぴったりの着物です。
五つ紋の色留袖や黒留袖は、結婚式で親族や家族が着る着物になります。パーティーやお茶会では、一つ紋か三つ紋の色留袖を選ぶのがおすすめです。
留袖選びでチェックしたいポイントは?
留袖を選ぶときは紋の数や種類以外にも、好みの色や柄から選んで楽しく選びたいですよね。ですが、季節感や年齡に合わせて似合うデザインの留袖を選ぶのが難しく感じる方も多いかと思います。
ここからは留袖を選ぶときにチェックしたいポイントについて紹介します。
▼おすすめの色や柄は?
洋服を選ぶときに色や柄、着こなしをイメージしながら選ぶように、留袖も着付けたときのイメージや季節感を意識して選ぶことが大切です。季節感やTPO、年齡に合わせたおすすめの色や柄などをチェックしてみましょう。
・季節感とTPOで色を選ぶ場合
洋服の色選びの際に春夏に暖色やパステルカラーを、秋冬に暖色やはっきりとした色味のものを選ぶのと同様、留袖の色を選ぶときも、洋服と同じような色の選び方をしても問題ありません。
ですが、結婚式やパーティーなどでTPOを意識して留袖の色を選ぶときは、花嫁衣装と被らない色を選んだり、主賓よりも目立たない色を選んだりすることも意識しましょう。
・年代別 おすすめの色はこちら
着物は色ひとつをとっても鮮やかな色やくすみがかった色、ビビットカラーの色などがあります。似合う色を選びたい方は、以下の内容を参考に選ぶのがおすすめです。
20代や30代の方は鮮やかな色味のカラーやパステルカラーを、30代や40代の方で落ち着きを出したい方はクリーム色や黄緑色などの明るい色味の中でも落ち着きのあるカラーの留袖を選んでみましょう。
50代以上の方は、明るい色を選ぶときはくすみがかったピンク色やライトグレーなどの色の留袖を、暗い色の留袖を選ぶときはえんじ色や紺色などの留袖もおすすめですよ。
・色留袖でおすすめの柄は?
留袖は、季節の花やおめでたい意味がこもった吉祥文様などがあります。季節感をより意識したい方は、お祝いの席で留袖を着るときは、以下の花柄や吉祥文様を参考に選んでみてはいかがでしょうか?
- 春夏の花柄:桜、藤、牡丹、撫子など
- 秋冬の花柄:紅葉、菊、椿、松など
- 長寿:鶴亀、熨斗(のし)、糸巻き文など
- 夫婦円満:おしどり、松など
ご年配の方や、すっきりとした着こなしを楽しみたい方は小さい柄をあしらえた留袖を、かわいらしい印象にしたい方や若々しさのある着こなしを楽しみたい方は大きめの柄をあしらえた留袖がおすすめですよ!
▼留袖の金額は?
留袖は呉服店や中古着物店、レンタル店などで用意をすることができます。実際に購入したときの金額感やお試し感覚でレンタルしたい方は以下の内容を参考に予算感を決めてみてくださいね!
・購入した場合
新品の留袖は、安価なもので5万円前後から、高価なものは100万円弱するものもあります。予算を抑えたい方は、手描き友禅のものなどを選べば、10万円以下で購入することもできます。
一方、中古の場合は1万円以下から5万円前後で留袖を購入することができます。中古着物を購入するときは、写真や実物のシミやほつれの箇所を確認してから購入するようにしましょう。
・レンタルした場合
留袖のレンタル代金は1万2千円前後から6万円弱が相場となり、帯や襦袢、小物などがセットになったものもあります。レンタルは留袖を着る機会が少ない方や、着たことのない色味の着物に挑戦したい方におすすめです。
レンタルをするときは発送や期間、付属品などを確認してから利用しましょう。
▼留袖の紋の数をチェックしよう
留袖は紋の数で格が変わるため、行き先に合わせて適した紋の数の着物を選ぶことが大切です。特に、結婚式で留袖を着るときは、親族や友人として出席するかで適した紋の数が異なります。紋の数を決めるときは、以下の内容を参考にしてみてくださいね!
- 五つ紋:結婚式や披露宴で親族として出席するときや、授賞式などでお祝いを受けるとき
- 三つ紋:親戚の結婚式や披露宴に出席するとき
- 一つ紋:結婚式に友人として出席するときや、お茶会、パーティーなど
着物は紋の数が多いほど格が上になります。上記で紹介した内容を参考にTPOにそった紋の数の留袖を選びましょう。
▼留袖に合わせることができる帯は?
着物は帯合わせにこだわると、より楽しく着こなせます。また、帯にも格や適したTPOがあるため、行き先に合った帯を選ぶことが大切です。それでは、留袖に合わせることができる帯の種類を紹介します。
・袋帯
袋帯は、丸帯の次に格式の高い帯です。近年、丸帯の代わりに使用することが多くなったことから結婚式や披露宴などのフォーマルな場に合わせる定番の帯になりました。
お茶会やパーティーで留袖を着るときは、好きな色や柄の袋帯を選ぶことができます。結婚式や披露宴などのフォーマルな場では、明るい色のものや金糸の袋帯を選ぶようにしましょう。
・名古屋帯
袋帯よりも長さが短い名古屋帯は、種類が豊富で各行き先や着物に合わせて選べる帯です。留袖に名古屋帯をあわせるときは、品のある綴れの名古屋帯を選ぶようにしましょう。
名古屋帯は袋帯よりも格が下のため、同窓会や食事会、お茶会などのちょっとしたお呼ばれ衣裳で出かける場に合わせるのがおすすめです。
・留袖に合わせるのに適した帯揚げ・帯締めは?
留袖の着付けや帯結びをするときは帯揚げや帯締めを用意する必要があります。
黒留袖や結婚式で色留袖を着るときはツヤのある白色や金銀の箔置きの帯揚げと、白や金糸で織った帯締めを、選ぶようにしましょう。お茶会や食事会で留袖を着るときは、幅の広い好みの色の帯締めと薄い色の上品な帯揚げを選ぶのがおすすめです。
▼留袖と一緒に買っておきたいものは?
着物を着付けるときは着物や帯以外に専用の肌着やはき物などを用意する必要があります。留袖を着付けるときも専用の肌着やはき物を用意しなければいけません。以下のものを用意しているか、事前にチェックしておきましょう!
- 肌襦袢と長襦袢
- 帯紐や帯枕、着物クリップなど
- 草履と足袋
- 和装バッグやかんざし
着物は下着の代わりに襦袢を着込み、着付けのときは着物クリップなどの補助道具があるとより着付けをしやすくなります。足袋や草履、和装バックなども必ず必要になるため事前に用意しておきましょう。
バイセルオンライン特選 黒留袖と色留袖を紹介
ここまでで、留袖の種類や訪問着との違いにくわえ、留袖の選び方や着付けの際に必要な小物などを紹介しました。ここからはバイセルオンラインがおすすめする黒留袖や色留袖、帯などを紹介します。
留袖をお試し感覚でチャレンジしたい方や、お得に買いたい方はぜひチェックしてみてください。
▼黒留袖と袋帯
結婚式で親族が着る黒留袖は一見地味に見えますが、黒地に柄が映えやすいため地味になりすぎず、派手になりすぎない着こなしを楽しめます。帯は礼装用の金色の袋帯を選びましょう。
・黒留袖に合わせるのに適した帯揚げ・帯締めは?
黒留袖に合わせる帯揚げや帯締めは、白色のものを選ぶようにしましょう。金色の帯に白色の帯締めを合わせると、まとまりのある着こなしになり、フォーマルな場により適切な着こなしを楽しむことができますよ。
▼結婚式・披露宴におすすめの色留袖と帯
結婚式や披露宴には季節の花やおめでたい吉祥文様を描いた明るい色の色留袖がおすすめです。明るい色でも落ち着きを出したい方は、ライトグレーや薄緑色などを選んでみましょう。
帯は、金糸を織って仕立てた袋帯がおすすめですが、華美すぎるとかじる方に柄の一部に金糸を用いたものもおすすめです。着合わせに迷った方は、合わせやすい明るめの色の袋帯を選んでみてはいかがでしょうか?
▼パーティーや食事会におすすめの色留袖と帯
パーティーや食事会には、一つ紋か三つ紋の色留袖がおすすめです。色や柄は好みのものを選んで問題ありませんが、季節感を意識した色や柄の色留袖を選ぶと、より行き先の雰囲気にフィットした着こなしを楽しめますよ♪
帯は袋帯や上品なデザインの名古屋帯を選んでみましょう。名古屋帯の中でもフォーマルなものを選びたい方には、銀色や白色のものを選ぶのがおすすめです。
・色留袖に合わせるのに適した帯揚げ・帯締めは?
結婚式や披露宴で色留袖を着る際は金糸や白色の帯揚げや帯締めを、パーティーや食事会で色留袖を着るときは幅の広い好みの色の帯揚げや帯締めを選ぶのがおすすめです。
帯締めは着こなしのアクセントにもなります。自由に色を選べるときは帯の色と補色のものを選ぶと引き締まった着こなしになりますよ!
【番外編】留袖をよりおしゃれに着こなすポイントを知ろう!
後ろ姿や横から見たときの姿も意識すると、留袖をよりおしゃれに着こなすことができます。最後に留袖におすすめの帯結びと髪型を紹介します。
▼留袖におすすめの帯結びは?
留袖に合わせることができる帯は袋帯と名古屋帯の2種類あります。袋帯を使用するときは二重太鼓結びを、名古屋帯を使用する場合は一重太鼓結びで結ぶのが定番となっています。
また、パーティーなどの服装に遊びをいれても問題ないときは、角出し結びなどもおすすめです。角出し結びは袋帯と名古屋帯どちらでも巻くことができます。
▼留袖におすすめの髪型は?
着物をヘアアレンジせずに着たときに着こなしに締まりが出ず悩んだ経験はありませんか?着物は洋服よりも華やかなため、ヘアアレンジをするとバランスのとれた装いに仕上げることができます。
着物を着るときはアップヘアにするのが定番です。フォーマルな場ではシンプルなまとめ髪を、パーティーなどはかわいらしいシニヨンなどもおすすめです。
上が短い方は、ハーフアップや編み込みで髪飾りをつけた髪型を選んで、華やかな装いになるように意識しましょう。
留袖は帯・小物合わせを考えておしゃれに着こなそう
今回は、留袖を初めて着る方のために留袖の種類やTPO、紋の数などの基本知識に加え、おしゃれに着こなすための色や柄の選び方やバイセルオンライン特選の留袖などを紹介しました。
フォーマルな場で着る留袖は、マナーやTPOなどを意識することから挑戦しづらく感じることもあるかと思います。今回紹介した内容を参考に、TPOや格を意識して自信を持って着ることができる留袖を選んでみてくださいね!
また、バイセルオンラインでは初めての方でも気軽に買える留袖をご用意しています。公式サイトやInstagram、LINEでもお得に買える情報を配信しているので、ぜひチェックしてみてください。