「着物ってたくさん種類があってそれぞれに着用のマナーがあるけど、バッグにもマナーはあるの?」
「バッグ以外にも合わせる草履に決まりはあるの?」
このようにお出かけする際のマナーに気をつけたいと思う方は多いのではないでしょうか?
そこで今回は着物の種類や着用のシーンによるバッグの選び方、草履の選び方を紹介します。
バッグや草履の選び方がわからないという方の参考になると幸いです。
目次
着物の種類によってバッグは使い分けるべき?
着物にもシーンによって使い分けるべきマナーがあるように、バッグなどの和装小物も着物の種類によって使い分ける必要があります。
なぜなら、小物によって着物全体の雰囲気が大きく変わるからです。
例えば、葬儀や式典などの場にカラフルなバッグを選ぶと、たとえ正装着を着ていたとしても、その場に適しているとはいえません。
だからこそ、バッグなどの小物も着物の種類によって使い分ける必要があるのです。
【フォーマル】着物の種類によるバッグの合わせ方
堅い場面で着る着物にはマナーが求められるため、小物も慎重に選ばなければいけません。
4つの着物別にバッグの合わせ方をみていきましょう。
黒留袖
黒留袖とは、着物の中でも最も格式の高い種類の1つです。
着用するシーンは結婚式や披露宴など、おめでたい場で新郎新婦の親族が着る着物とされています。
華やかな印象の着物なので、バッグも気品のある華やかな印象の物を選びましょう。
一般的に合わせるバッグの色は「金」「銀」「白」です。
金色、銀色のバッグは晴れの場にふさわしく、黒留袖をより華やかに彩ります。白色のバッグは「光沢感」がある物を選びましょう。
草履は、バッグと同じ色、素材を選ぶとよいです。
バッグの色と極端に違うと、服装全体の統一感がなくなってしまいます。
また、結婚式のような晴れの舞台では、殺生を連想させるような物はマナー違反とされています。
皮革素材のバッグ、草履は選ばないように注意しましょう。
色留袖
色留袖は、黒留袖同様に結婚式や披露宴で着る着物です。布地は薄いピンク、淡いブルー、グリーンのようなカラフルな色合いが多くあります。
黒留袖と同じく、バッグは「銀」「金」「白」の色がよいです。
草履についてもバッグと同じ色、素材を選びましょう。
「同じ色、素材がわからない」という方は、草履とバッグがセットで販売されたものを購入すれば間違えることはありません。
色留袖においても、おめでたい場で使う場合は皮革素材の小物は避けましょう。
振袖
振袖は主に成人式や卒業式で着る着物です。
格式の高い着物ですが、成人式で着る場合はバッグや草履は自由に選べます。
皮革素材を使った物、派手な柄を選ぶのも良いでしょう。
寒い時期なので、ファーが装飾された草履、バッグなどもおすすめです。
色や柄の選び方は、着物によって合わせるとよいでしょう。
例えば、「着物が落ち着いた柄なら、草履やバッグも落ち着いた色や柄の物を選ぶ」など小物単体で選ばず、コーディネート全体の印象を考えて決めるのがおすすめです。
黒喪服
黒喪服は葬儀や式典など、法事の場で着る着物です。
法事では特にマナーが重要なので、バッグや草履にも気を配りましょう。
黒喪服に合わせる小物は「黒色で布素材を使った物」を選ぶのが基本です。
黒色であっても、光沢のある物や装飾が入った物は避けましょう。
昨今は革素材のバッグを使う人も多いようですが、殺生を連想させるものは基本的にNGです。
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【準フォーマル】着物の種類によるバッグの合わせ方
準礼装の着物の場合は、礼装着で合わせられない普段使いの小物も選べるので、コーディネートの幅が広がります。
訪問着
訪問着はパーティーや食事会、結婚式でも使える使い勝手のよい着物です。
幅広いシーンで活躍するので、合わせるバッグは場面に応じて選ぶのがよいでしょう。
- 結婚式では金、銀のバッグ
- お茶会の場では、ビーズなどが装飾されたバッグ
といったように使う場所によって選んでみてください。
草履は光沢感のあるエナメル素材がおすすめです。
また、場面に応じて草履台の高さで選ぶのもよいでしょう。
草履台の高さによって印象が変わるため、結婚式、食事会など分けて選ぶとその場に適した装いになります。
一般的に高くなるほど、堅い印象となります。
色無地
色無地を主に食事会や観劇などのカジュアルな場で使用されます。紋ありの色無地であれば、結婚式・子供の入学式といった場でも使えます。
バッグは色無地を使う場所によって決めるのがよいです。
- 食事会・観劇の場では、キラキラした装飾が施されたもの
- 結婚式では光沢感のある上品なものを選ぶ
草履については、バッグと同じ柄、色を合わせるのが無難です。
江戸小紋
江戸小紋は小紋の中でも格が高く、色無地と同格に位置する着物です。
色無地同様に着用シーンは幅広く、主に食事会、観劇、趣味のお稽古の場で着られます。
江戸小紋には派手な柄が多いため、合わせるバッグはシンプルな物を選ぶとよいでしょう。
派手な着物に派手な小物だと、どちらの印象も薄れてしまいコーディネートのバランスがよくありません。
草履についてもバッグと同様に落ち着いた色や柄を選ぶとよいです。
なるべく色調を揃えると、統一感が生まれ江戸小紋の柄が一層引き立ちます。
付け下げ
付け下げは訪問着よりも少し格が下がった準礼装の着物です。
使える場所は少々堅い場所だけでなく、普段着としても活躍します。
幅広いシーンに対応できるので、合わせるバッグや草履も場面に応じて選ぶとよいでしょう。
例えば
少々堅い場面なら金、銀、光沢感のある素材
普段着で使うなら派手な柄、明るい色
など、素材や色によって使い分けるとその場に適したコーディネートになります。
小紋
小紋は普段着やおしゃれ着として着る着物です。
普段使いで活躍するので、合わせるバッグも比較的自由に選べます。
バッグは着物の柄や色によって選ぶとよいでしょう。
例えば、「華やかな柄の小紋であればバッグはシンプルなものを選ぶ」などを意識するとコーディネートのバランスが取れ、おしゃれに着こなすことができます。
【番外編】卒業袴や浴衣にはどんなバッグを合せる?
卒業袴や浴衣には、柄行きが派手なバッグや巾着袋を選ぶとよいでしょう。
草履は、色は落ち着いたモダン色を基調とし、鼻緒部分を帯と同じ色に合わせるなどして統一感をだすのがおすすめです。
また、卒業袴は草履以外にもブーツを合わせるコーディネートもよく見られます。
草履を履く場合は袴の丈が短すぎると足袋と足の境目が見えてしまうので注意が必要です。
ブーツを履く場合は袴の丈が長すぎるとブーツを着脱する際に引っかかる恐れがあります。
草履にしろブーツにしろ卒業袴の着丈の長さに注意を払うことがポイントです。
まとめ
本記事では着物の種類別バッグの合わせ方、草履の合わせ方について解説しました。
堅い場面で着る着物には草履やバッグも決まりがありますが、普段使いで着る着物は自由度が高く、自分の好みで合わせられます。
もし自分の好みがわからないのであれば、着物の色や柄と統一するとよいでしょう。
そうすると、コーディネート全体にまとまりができ、品のある装いになります。
葬儀などの堅い場面では合わせるバッグ、草履選びに注意しましょう。
着物が正装であっても、バッグや草履が普段使い用だとマナー違反と捉えられる可能性もなくはありません。
- 葬儀などの堅い場面ではマナー違反にならない小物を選ぶ
- 普段使いの場面では自分の好みまたは着物の色や柄に合わせて選ぶ
以上2点を意識して、着物の小物を選んでみてくださいね。