帯締め選びで和装を楽しもう♪TPO別・帯締めの種類や選び方とは

着物の帯の上に結ぶひもである帯締め。ひものように見える帯締めはどれを合わせても一緒では?と思う方も多いと思いますが、実は、帯締めは着物の差し色にも使えるおしゃれアイテムとしても使えます。

そんな帯締めをおしゃれに活用したい。けれども、さまざまな種類があり、TPOや着物に合わせてどれを選べば良いか分からなくなることもありますよね。

今回は、着物をおしゃれに着こなしたい方のために、帯締めの種類や選び方にくわえ、帯締めに関する疑問点や、TPOごとにおすすめの帯締めを紹介しています。

白い帯締め

目次

帯締めとは?

帯締めとは、帯の形の崩れや、帯の乱れからくる着物の着崩れを防いでくれるひものことをいいます。組ひもという細い糸を組み上げて一本のひもにする技術を用いて作っており、色や形、太さはさまざま。着物の色やTPOに合わせて使用します。

また、帯締めの歴史は非常に古く奈良時代に中国・朝鮮半島を経て伝わったことが始まりです。平安時代には貴族の冠の緒や刀の下緒に使用していましたが、江戸時代に一般家庭に普及しました。

そして、明治時代の廃刀令の後に刀の下緒に使用していたひもを着物の帯に巻いたことが帯締めの始まりといわれています。

帯締めの種類をチェックしよう

帯締めも着物のように格や種類があり、行き先に合わせて結ぶ帯ひもを変える必要があります。まずは帯締めの種類を紹介します。

▼平打ち(平組)

平打ちは、現在の中で最も使用されていることがポピュラーな帯締めです。名前の通り、平らになるようにひもを組んでおり、締まりが良くて扱いやすいのが特徴です。

▼丸打ち(丸組)

円筒型のように丸い、丸打ちの帯締めは、成人式に着る振袖や花嫁衣装などに合わせることが多い、華やかでかわいらしいデザインが特徴です。結んだときの形が整いやすいため 、初心者の方でも扱いやすい帯締めになります。

▼角打ち(角組)

四角く組んだ角打ちという帯締めは、普段着用のカジュアルな着物に合わせることが多い帯締めです。四角いため結ぶのが難しく、上級者向けの帯締めになります。

帯締めの組み方の種類は?

帯締めは組み台という編み機で組んで作っており、組み方は3,000〜3,500種類以上あります。その中でも、多くの呉服店や通販サイトで扱っている帯締めの組み方の種類やその特徴を紹介します。

▼高麗組(こうらいぐみ)

高麗組は、組目が細かく平打ちの帯締めで用いることが多い組み方です。高麗組の帯締めは良質で高級な金糸や白糸、銀糸などを用いて編んでいます。

高麗組の帯締めは主に黒留袖や色留袖などのフォーマルな場で着る着物に合わせるのがおすすめですよ。

▼平田組(ひらたぐみ)

網状になっている平田組の帯締めは、夏用の着物に合わせるのに定番の帯締めです。訪問着や留袖などのフォーマルな着物には不向きになりますが、普段着用の着物に適した帯締めとなっています。

透け感のある帯締めは伸縮性がありすぎると伸びてしまい着崩れを起こしやすくなりますが、平田組の帯締めは丈夫なつくりになっており、扱いやすいため着物初心者さんにおすすめです。

▼唐組(からくみ)

唐の時代に高級技術として伝来した唐組の帯締めは、ひし形の模様が特徴の高麗組と並ぶ高級な帯締めのひとつです。唐組の中には厚みがあって伸縮性のある平唐組などもあります。

▼丸くげ

綿を布の中に縫い入れて、細いひも状に組んで作った丸くげは、丸打ちの帯締めで使われる組み方です。

丸くげは留袖や喪服などに合わせて使うことが多くありましたが、近年はカジュアルでかわいらしいデザインの丸くげの帯締めが増えていることから、振袖などに合わせることが多くなっています。

▼冠組(ゆるぎぐみ)

元々、貴族の冠のひもに使用していた冠組の帯締めは厚みがあり、伸縮性があるのが特徴です。締め心地も良く、人気があるため、呉服屋や通販サイトなどさまざまな場所で買えるのも魅力です。

冠組は角打ちの帯締めで使うことが多い組み方ですが、金糸が入ったものを選べば附下げや訪問着に使うこともできますよ!

ピンクの帯締め

帯締め選びや使い方で気になる疑問を解決しておこう!

帯締めを初めて選んだり使ったりする際、結び方や格の有無などの疑問が出てくる方も多いでしょう。ここからは、帯締めを使用する際に気になるちょっとした疑問について紹介します。

▼帯締めに格はある?

着物には留袖や附下げなどの格が存在しますが、帯締めも着物と同じように格が存在します。

帯締めの種類は平打ちや丸打ち、角打ちの3種類があります。格は平打ちが最も高く、次いで丸打ちが格の高い帯締めとなります。そして角打ちは最も格が低いカジュアルな帯締めになります。

帯締めも、行き先や着る着物のTPO合わせることが大切です。ぜひ参考にしてみてくださいね♪

▼帯締めの結び方は?

帯締めは以下の手順で結びます。帯締めにはさまざまな結び方がありますが、以下の基本的な結び方を覚えておくと、帯締めの種類を問わず簡単に結ぶことができますよ!

  1. 帯締めを後ろから前に回してひと結びしたら、上に出てきた方を反対側に返して輪っかを作ります。
  2. 輪をおさえながら反対側を持って、1で作った輪っかに上から通します。
  3. もう片方の端を下から持ち、1で作った輪っかに上から通して完成です!

着付けや帯結びよりも比較的簡単のため、ぜひチャレンジしてみてくださいね!

▼浴衣に合う帯締めの結び方は?

お祭りや夏の街歩きで着ることの多い浴衣のコーディネートを、いつもよりかわいらしく仕上げたいと思ったときはありませんか?そんなときは、帯締めの結び方を工夫してかわいらしくしましょう。

以下のアレンジを参考に結んでみてください。

  1. ひもの中心を持ち、後ろから前へ左右の長さが均等になるように回します。
  2. 帯の正面よりやや右側で、帯締めをしっかりと本結びで結びます。
  3. ひもを3分の1程度とって輪っかを作り、結び目の下からくぐらせます。
  4. 反対側も3と同じように輪を作り、結び目の下にくぐらせます。
  5. 最後に、大きさや位置、形を整えたら完成です!

花びらが4つできたような形になり、かわいらしい仕上がりになります♪ぜひチャレンジしてみてくださいね。

▼男性でも帯締めは使う?

男性用の着物は帯締めを使用せず帯だけを巻いて着付けを行います。なので、帯締めは女性用着物のみで使用してください。

帯締めの選び方は?

着物を着付ける際は、さまざまな種類の帯締めから適したものを選びたいですよね。ですが、どのような点に気をつければ良いか分からない方もいるでしょう。ここからは、帯締め選びのポイントを紹介します。

▼着る着物に合わせて選ぶ

帯締めは洋服でいうアクセサリーのような役目を果たしてくれる着物道具のひとつです。着物の生地や格によって似合う帯締めは異なるため、着る着物に合わせて選ぶことも大切です。

例えば、夏に着る着物には涼しげなカラーや素材の帯締めを、礼装には金糸などが入った帯締めを選ぶとおしゃれに着物を着こなせますよ!

▼TPOに合わせて選ぶ

着物はお呼ばれ用の着物から普段着用の着物までさまざまな種類があり、TPOに合った着物を選んで着て行く必要があります。帯締めもTPOに合わせて種類を変えることが大切です。

お呼ばれの場で着る訪問着や附下げには平打ちの帯締めを、振袖や花嫁衣装には丸打ちを、普段着用の着物には角打ちの帯締めを選ぶようにしましょう。

▼帯締めの色の選び方は?

帯締めは着物をコーディネートする際に、色のアクセントとして活用することもあります。

基本的に帯締めは、帯の補色のものを合わせるのがベターです。ですが、上品に着こなしたい方や、足長効果を意識したい方は、帯と同系色の帯締めを合わせてみましょう。

柄の主張が強い帯を巻く際は、帯になじむ色の帯締めを選ぶと帯との一体感が出ますよ!

金色の帯締め

着物の種類別 おすすめの帯締めを紹介

ここまでで帯締めの種類や選び方を紹介しましたが、実際に帯締めを選ぶ際は着る着物の種類に合わせて選ぶ方が多いでしょう。

ここからは、着物の種類ごとにおすすめの帯締めを紹介します!

▼フォーマルな場で着る訪問着や留袖におすすめの帯締め

結婚式や格式の高いお呼ばれの場で着る着物には白地の帯締めや金糸の入った明るい色で平打ちの帯締めがおすすめです。

よりフォーマルなものを選びたい方は幅が広い帯締めを選んでみてくださいね!

▼附下げや色無地におすすめの帯締め

附下げや色無地には、帯の色に合わせた平打ちの帯締めや、シンプルな丸打ちの帯締めを選んでみましょう。グラデーションのある帯締めなどはおしゃれでシンプルな帯のアクセントになりますよ♪

小紋や街歩き用の着物には、角打ちの帯締めや、細めの帯締めを合わせるのがおすすめです。色は金糸の入っていない、銀糸の帯締めもおすすめです。また、無地の着物や帯を着る際には、柄の入った帯締めを選ぶとアクセントになりますよ!

▼浴衣に合わせるのにおすすめの帯締め

夏に着る着物に合わせる帯締めは、着物に合った涼しげな色の帯締めや、角打ちの帯締めを選ぶのがおすすめです。丸いガラスの飾りが通った帯締めなどもより夏らしさを楽しむことができますよ!

▼振袖に合わせるのにおすすめの帯締め

成人式などで着る振袖には、丸打ちの帯締めを合わせましょう。太めで柄の入ったものを選ぶと、より華やかなコーディネートに仕上がりますよ。柄によりこだわりたい方は、蝶やおめでたい花などの吉祥文様が入った帯締めを選んでみてはいかがでしょうか?

また、左右どちらか片方がひも飾りになっているものを選ぶのもおしゃれでおすすめですよ!

▼帯揚げと帯締めのセットもおすすめ

帯枕にかけて巻き、帯の上部分を飾る布を帯揚げといいます。より、統一感のあるコーディネートにしたい方や、着物小物を買い足したい方は帯揚げと帯締めのセットを購入するのもおすすめです♪

帯締めの種類をかしこく選んで着物をおしゃれに着こなそう

今回は、女性用着物に合わせる帯締めの種類や選び方や結び方にくわえ、TPO別におすすめの帯締めを一挙に紹介しました。

着物の差し色としても使える帯締めは、着崩れを防ぎながらおしゃれを楽しめる便利な和装小物です。今回の記事の参考にお気に入りの帯締めをバイセルオンラインで探してみてくださいね♪

     

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